2009年8月27日木曜日

戦地へ赴く者の心構え(8)戦場と保険金

戦地へ赴く者の心構え(8)利害一致するパートナー


 戦場へわざわざ行くということは、どう贔屓めにみても、ハイリスクローリタンの生き方を自ら進んでやることである。このハイリスクローリターンが前提になるため、チョロいことで安易に儲けようとするタイプの人は、長続きしない。 

具体的によくいわれるのは、海外旅行保険に入って、携行品の盗難や破損などで保険金を貰うことを覚えてしまった人は、もう、バカ正直に戦場屋なんかやっていられなくなるということである。一般的に、戦争国やその周辺の治安の悪い国における盗難等の場合、保険会社の調査は入らず、請求した保険金は下りやすい。1988年からのパナマ動乱まのときには、仮病を訴えて病院をホテル代わりにタダで使った日本人カメラマンがその詐欺っぷりで知名度を上げていた。 私の直接の知り合いでも、カメラ機材を全部盗まれたことにして、地元警察に盗難を認定する書類を作ってもらい、保険金をせしめた人は2人いて、2人ともその後、戦場突入からはリタイアしている。他にも、このような保険金詐欺をやった人で、その後、戦場突入をできなくなっていっている人は数人いる。

 だが、このような保険金詐欺の能力に長けている人がビジネスマンとして劣っているわけではなく、戦場以外のテーマでは、その後も、しっかりし仕事をし稼いでいる。つまり、ハイリスクローリターンが絶対条件ともいえる戦場野郎としての適性はなかったというだけで、人間として問題があるわけではない。戦場野郎を続けはてゆく者は、「楽して安全に儲けるなんて魅力ない」っていうマゾ的な素養が必要なのである。けっして、詐欺などしない清廉潔白な人格というわけではない。他の面では、いろいろずるいこともやるんだから。 

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