2009年5月29日金曜日

民主党は記者クラブを廃止するのか(2)

 3月24日、民主党の小沢一郎代表(当時・以下同)は記者会見で、以下のとおり述べている。

 「自民党の幹事長をしていたとき(1989年8月~1991年4月)以来、もう、どなたとでもお話をしますということを言ってきた覚えもございます。それ以降も、特に制限はまったくしておりません。どなたでも会見にはおいでくださいということを申し上げております」

 しかし、これは事実と違う。2006年4月、筆者は就任間もない小沢代表の記者会見に出席し、同代表の共謀罪法案(後注)に対する考え方を質問しようとしたが、民主党役員室の及川敏章氏から「記者会見は会社単位での出席。今までフリーランスを受け入れたことはない」と阻まれた。ふり返れば、小沢氏は新生党代表幹事時代の1993年10月、「記者会見は義務ではなくサービスだ」と発言して問題となった。

 民主党や小沢氏が本当に“開かれた記者会見”を志向しているのかは疑わしい。とはいえ、現在、フリーランスが民主党の記者会見に出席しているのは事実。いつから、どのような理由で、こう改められたのか、民主党役員室にきいた。

 「いつからフリーランスが記者会見に出席できるようになったのかは明確ではありません。(理由は)希望があったから」(増尾一洋氏)

 “開かれた記者会見”にしようという確固たる信念は感じられない。ただし、「(フリーランスを排除した)元へ戻すという話は出ていない」(増尾氏)という。

 フリーランスが民主党の記者会見に出席するには、当日、本人を証明する物を持参するだけでいいという。筆者も含め、たくさんのフリーランスが参加し、“開かれた記者会見”を既成事実としなければならない。

 【共謀罪法案】「2人以上が犯罪を行うため、話し合った」と警察や検察が認定すれば、それ自体が犯罪(共謀罪)となる法案。いくらでもでっち上げが可能なので、反対意見が根強く、2003年3月、法案が国会へ提出されたものの、成立していない。

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